変容する自画像

作者
Liu Tingjun
カテゴリ
インスタレーション / 映像 / 2019

「変容する自画像」はひとつ以上の異なる媒体を使って、空間・立体的に構成されたインスタレーション作品である。作品にはシリコーンで作られた人間の皮膚や、石膏テープで作られた人間の脱け殻、また、剥がされた皮膚の写真や映像がある。

ある種の動物において、自分の体が成長していくにつれ、その外皮がまとまって剥がれる。その現象は「抜け殻」と呼ばれる。

昆虫やヘビは成長するために脱皮する。それは、人間には出来ないことである。しかし、現在の技術の発展により、人間たちはある意味での「脱皮」を実現している。それが人類が成長している証明なのか。それとも抜け殻のような中には何もいない、ただ魂が抜け落ちているような人が存在しているのか。

この問いを起点に、普段可視化されることのないイデオロギーを私自身というメディアに着地させ、新しいメディアアートとして表現することを目指しており、その中で「変容する自画像」という意識をめぐって検討する。また、人間の生き方を見直していく。