「三人称」は、異なる媒体を使って空間に構成されたインスタレーション作品である。作品は三つの部分から構成される。壁に投影する映像、3Dプリントされた私の頭とテレビであるテレビと3D模型の間にカメラが設置されている、撮影しながらリアルタイムでテレビーに映像を映している。
作品は、第三者の視点に立って自己を観察したり、自己意識を考えたりして、私という個人の主体的な視点の概念を取り除くことを試みる。すなわち脱アイデンティティーの視点からアイデンティティーの概念を捉え直す。そのこと自体が反抗的な試みである。作品中の映像は視点が変化した後の自意識の断層を意味する。したがって、非現実のイメージを通して「現実」を記録する。3 Dプリントされた私の頭もそこに置かれて静かにその「現実」を眺める。さらには今テレビ画面に立ってこの全てを見ている観客もある意味での傍観者を見る傍観者になる。